Vol. 54 2005.8.15 |
8月の「みんなでバドミントン」へ参加 | ||||||||||||||||
8月12日(金)、東京都障害者総合スポーツセンターの「みんなでバドミントン」へ、クラブより5名が協力参加しました。夏場の開放事業に、どの位の皆さんが参加されるのか多少心配ではありましたが、予想をはるかに越える参加者が集まっていました。 その理由の一つは、障害者総合SCの体育館には冷房が完備されていて、一定の気温の中プレイが出来ることにあります。普段、私達が活動している小・中学校の体育館は、この時期「自然サウナ状態」で異様な温度と湿気の中、呼吸困難などを体感し、1時間に一度位は空気の入れ替えを行わないと熱障害が起こる可能性が大です。けれどもこの体育館は、バドミントンには大敵な空気の流れを作らず、快適な冷房装備が完備され、自然にスポーツを楽しめる環境となっています。北区では知る限り、他には無い環境でしょう。 もう一つの理由としては、当日北区教育委員会・ボランティアセンターとの協働で、区内の中・高校生のボランティア体験活動の場として使用され、各学校より10名ほどの学生が参加していたことでした。加えて、本年度区立小学校へ配属された教員の方々が新任教育の一環でボランティアに取り組む事業がなされており、この日も4名ほどの先生方が参加されていました。このような体験活動はとても良い事だとは思いますが、単発的な一過性の事業ではなく、一年を通した自発的参加が促せる方向にしていくべきだと感じました。 ちょっと横道にそれてしまいますが、学生達の体験ボランティア事業について言うと、区立中学校では3年生のみが対象とされ、来春受験を控えた子ども達にとって、夏休みの貴重な追い込みの時期に、半ば強制で行われるという事は如何なものかと思います。参加出来ない・参加する意志の無い子ども達は、ボランティアに関して作文の提出を求められるそうです。 ボランティアとは自発的な敬愛・奉仕の精神が宿らなければ、只の博愛奉仕のポーズにすぎなくなってしまいます。「経験」という入口を示して、今後の社会生活の中で自らが取り入れていく「心」を学習するという教育委員会の狙いは尤もだと思いますが、その時期と方法には疑問を持たざるを得ません。社会教育の一環であるならば、形式と捉えられてしまうような「あてがい扶持」の方法ではなく、子ども達が自ら考えて行動する方策・提案を、もっと現場感覚を体感し広い視野で示すべきだと思います。この障害者総合SCのみならず、区内の多くの公立施設での活動を選択肢として行われている「体験ボランティア」ですが、将来を考えると子ども達の心の中には、「そう言えばやったことがあったな」程度の感想を抱くに過ぎないイベント的な思い出が残るだけなのではと危惧します。 そして、この活動で一番首を傾げる事は、この体験活動へ参加するには、子ども達は各事業を選択するための紹介冊子を500円で購入し、選んだ事業へ登録する為、定められた日時までに「北とぴあ」の「北区NPO・ボランティアプラザ」で、登録料200円・ボランティア保険料300円を支払い参加の申込をする方法を取っていることです。つまり、この事業へ参加するには、1000円の費用が必要になるそうです。現実問題として、生徒自らの成績内申点に影響することもあり、当然の如く夏休みの宿題の一環のように行われていますが、果たして正しい方法なのでしょうか?学校からあてがわれたボランティアの体験事業に参加する為、金銭を支払い自らの内申点を買う、そんな本末転倒の事業と捉える穿った見方も出来るでしょう。親の立場として、学校では「ボランティア」という精神の本質を指導するべきで、子ども達が真正面から社会ボランティアというものを考えられる正しい方向を示すべきだと思います。今回のような方法は、決して正しい方法とは評価出来ないと感じました。 この事業に参加した高校生に質問してみると、「学校で行くように言われたから参加した。選択はたくさんあったけど、バドミントンやるのが一番楽そうだったから。疲れたから、早く帰って好きな事したい。」という回答が返ってきました。この子は部活でバドミントンをしている訳でもなく、単にあてがわれた内容をクリアするのに一番楽な場を選択したそうです。加えて、障害を持たれた方が楽しむ場を手伝うという意識は乏しかったけれども、アンケートには、「大変有意義だった。」と書くそうです。何故なら、内申書に響くからだそうです。このドライな感覚だけをとってみても、子ども達に対しこの事業の本質は伝わっていないようです。因みに、この高校生はバドミントン経験が殆ど無く、何をして良いのか全く判らなかったそうです。更に、今後続けてバドミントンをしたくなったかを聞いたところ、「別に」とそっけない答えが返ってきました。 「みんなでバドミントン」の活動へも、3回参加させて頂きましたが、参加する度に勉強させられる部分が多く、バドミントンという種目に対する見方よりも、スポーツ全般を通した社会的な結び付きの大切さを改めて感じています。幾人かの障害を持たれた方とも顔見知りになれて、このセンターの中だけですが小さなコミュニティが形成されつつあります。社会生活の根幹にとって、これが大切な流れなのだと確信しています。 次回は、9月9日(金)午後6時30分から開催されます。 尚、「みんなで卓球」は、9月17日(土)午後1時から3時まで行われます。 今後もクラブの仲間たちのご協力宜しくお願い致します!
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東京都障害者総合スポーツセンター |